スペイン・ジャーナリズム界の巨匠ティコ・メディナ

2021-07-08

【世界報道自由度ランキング】

個人的にテレビで報道されていることは、全てを鵜呑みにできないと思っているので、最近は特にテレビで放送される報道番組(特に社会や政治問題)はあまり見ることがなくなってきました。

「報道の自由」という言葉が一時期騒がれましたが、オリンピック開催を間近に控え、日本でもさらに報道規制が厳しくなるのではないかと思います。

世界には「世界報道自由度ランキング」なるものがありますが、2021年の日本は対象となった180か国の中でも67位だそうです。

自由なイメージのある日本でも、世界から見ると、これだけ低い順位なんですね。

尚更2010年は10位だったこともあり、年々世界からの日本の報道に対する不信感は増すばかりのようです。

さて、今回はそんな報道にまつわるスペインの偉人をご紹介。

【ティコ・メディナ(Tico Medina)】

スペインのジャーナリストであり、TVE(Televisión Española)の創始者でもあるティコ・メディナが先日7月5日、86歳で他界しました。

彼は生涯をジャーナリストとして生き、アーネスト・ヘミングウェイからも「彼は、小さなニュースを大きなニュースにすることのできるジャーナリストだ。」と評されました。

彼は、1934年グラナダにあるピニャールという町で生まれました。
家系は特にジャーナリズムの関係ではありませんでしたが、7歳でグラナダのマリスト小学校に入学したころから、詩やラジオの原稿を書いたり、雑誌に協力したりしていたようです。

設立したばかりのTVEの創設者の一人として才能を発揮し、グラナダの新聞「Pueblo」や雑誌「¡Hola!」など数社に渡り編集長を長年務め、スペインの報道機関の中心人物として活躍してきました。

また、1977年にメキシコのTVEの特派員に任命され、中米全体を取材し、後にアメリカで「ABC」の特派員として、ラテンアメリカ諸国の社会、経済、政治にも深く携わっていきました。

スペインに帰国後もジャーナリスト、レポーターとして複数の人気番組を取りまとめていきました。

「ティオ」の愛称で親しまれ、彼のインタビューは生涯で3万件を超えると言われています。
その中には、サルバドール・ダリ、ローラ・フローレス、フィデル・カストロ、チェ・ゲバラなど数々の著名人が含まれていて、20世紀後半の偉人で彼からインタビューを受けたことのない者はいないとまで言われています。

因みに有名なエピソードとして、フィデル・カストロからグラナダ出身の彼はいつも「ガリシア人」と呼ばれていましたが、彼はそれをにこやかに受け入れていました。
というのも彼の本名はエスコラスティコ・メディナ・ガルシア。
カストロは知ってか知らぬか、彼をずっとガリシア人だと思っていたようです。

そんな彼の功績が称えられ、2008年にアンダルシア勲章、2017年には功労賞など、国や機関から多くの賞も送られました。

とにかく彼のスタイルは人と話をすることでした。
そしてヘミングウェイの言葉にあるように、物語の偉大さを小さな細部に見出し、人々へ正確かつ感動的なストーリーとして世界へ発信していきました。

ティオは自身のことを後に「自分は、自分の歴史を持たない老僧だ」と表現しています。

それは、彼が自分の人生の全てを、他人の物語を語ることに捧げてきたことにほかなりません。

人と話すことの大好きなスペイン人ですが、その中でも「彼は、特にユニークなコミュニケーターで、卓越したインタビュアーであり、ストーリーテラーであり、比類ない繊細さを持ち合わせたライターであった。」と当時の同僚は振り返っています。

スペインのジャーナリズムの根幹を造り上げた彼の功績は、スペインの報道業界に現代にも引き継がれていることでしょう。

7月5日、多くのスペインの報道番組が彼に追悼の意を表しました。

【物語】

私自身、ワインの物語を伝える立場として、やはり他人の話を聞くということが何より重要だということを改めて痛感させられます。

事の詳細に踏み込むことで、大きな真実が見えてくる。
他人を理解するうえでとても大切なことですね。

話下手で、聞き下手な私ですが、そんな姿勢を忘れず、人とのコミュニケーションを楽しめるよう精進しなければ。

しかし、まだまだ幼稚な言葉しか操れないだけに、まずは語彙力を増やさないといけないかなと。

因みに冒頭の「世界報道自由度ランキング」1位の国はノルウェーだそうです。
イメージ的に納得です。

そしてスペインは29位。

・・・。

他気になる方は、▼こちらから▼
https://rsf.org/en/ranking#

ということで、本日はティコの出身グラナダよりパワフルかつエレガントな「プラド・ネグロ」。

まるで、イタリアの高級ワイン・アマローネを彷彿とさせる高貴な余韻が特徴です。

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